ペンキで壁を塗って楽しむ生活

ペンキと壁にまつわる色々な事を書きとめました。

ペンキのプロに頼まずにDIYで壁にペンキの塗り方選び方

壁にDIYでペンキ塗り、増えているんでしょうか?

電動工具などの道具や専門知識がなくても行える、ペンキで壁をカスタマイズするDIYをよく目にします。
日本ドゥイットユアセルフ協会の調べによると、ホームセンターで塗料が含まれるカテゴリーは「素材・用品」で、このカテゴリーの売上高が一カ月約353億円あります。
このカテゴリーで塗料のシェアは約2%ですから、約7億円が塗料の売上になります。
プロはホームセンターよりもなじみのペンキ店で買いますが、仮にプロが1割程度買ったとして、残りの9割、およそ6億3千万円分は一般の方が買っているということになります。
勿論この中には色々な種類が含まれていますが。
そんな事、お構いなしに(笑)!この金額でどれくらいの面積が塗れるかと言うと…。

仮に1L1缶で約5平塗れる2,000円とします。
ホームセンターのペンキ売上の6億3千万円分を2,000円で割ると31.5万缶、
これに1L1缶で塗れる面積5平米をかけると、1,575,000平米塗れる計算になります。
福岡にあるヤフオクドームの敷地面積が170,000平米ですから、何とヤフオクドームの面積9個分が塗れる量に!
DIYで壁にペンキ塗り、もはや流行ではなく文化になってきている気配です。

私がカナダにいるとき、そういえば主婦の方が週末パーティー用に壁の塗り替えをDIYで月に1回ぐらいしていました。壁が替わると本当に気分も変わった事を今でも思い出します。
でも実際には奥さんが色を時間をかけて選んで、(奥さんは色選びの時と、パーティーの時だけ楽しそう!作業にはあまり興味なし!)
暇そうにご主人がその横に立ったり座ったりしていて、持って帰ってご主人が壁を塗っていた。という感じでした。
「ペンキ屋さんに頼まないの?」と私が聞くと、
DIYで壁に塗れるのに、どうして頼む必要があるの?」と逆に聞かれたのがかれこれ20年前です。
当時はDIYで壁にペンキを塗るなんて、日本ではほとんどなかったので、それから比べると日本の住宅を巡るシーンも実に様変わりしてきましたね。

最近では賃貸住宅でも壁にDIYでペンキを楽しみたいという方が増えてきています。
賃貸住宅自体も空き家が目立つようになり、
最初から「ある程度住む人が手を加えてもよいですよ」と言う住宅の登場や、
あらかじめはがせる素材を壁に貼ってその上からペンキを楽しんでいる方もおられます。
日本の住宅は70年代から供給過多になっていた物件が中心に空き家になっているので、
これらの物件はもうすぐ50歳。
住む人がDIYでペンキで壁を仕上げた結果、愛着が湧いて長く住んで自分でメンテナンスをしていく。
という日本には今までなかった住み方が定着し始めています。
ではDIYで使うペンキを壁に塗るまでに幾つかのポイントをまとめてみましょう。

ペンキについて。

それ、DIY用ペンキですか?

ホームセンターでも販売されているペンキはその量で分けられているだけで、DIY用に特別に塗りやすいわけではないのです!
最近でこそ壁を塗る人も、また面積も増えてきましたが、少量、例えば1リッターそれ以下、あるいは4リッター位までがDIY用として位置づけられています。
内容はプロが使っている一斗缶に入っているものと変わりなく、量が少ないだけなのです。
ですから缶の裏の表示も「必要に応じて下地剤を塗布」や「必要に応じてOO%清水で希釈」などむずかしい説明が書かれています。
これから壁を塗ってみたい人には説明文の意味はわかっても、実際にどのケースに当てはまるのかなんてわかりませんよね。
だからDIY用のペンキではないのです。

塗りやすさが全然違う!

カナダではペンキ屋さん向けは4Lと20Lのサイズで、ペンキを塗った事がある人なら問題ないく塗れるものと、1リッター、4リッターで初心者でも特別なテクニックを必要とせず簡単に壁に塗れるペンキホームオーナー・DIY向けに分けられています。
中には下地剤(ペンキが付きにくい下地に塗って密着力を高めます。プライマーといいます)がすでにブレンドされていて、ほとんどの物に特に下地処理をせずに塗れる優れたペンキもあります。

最近ではブームを背景に、日本でも海外のペンキを初め、DIYを意識したペンキも登場していますので、出来ればこのような初めての人でも特別な事をせずに塗れる壁用ペンキを選びたいですよね。

ペンキの色

ペンキを壁に塗る時、せっかくならカラーも十分に選びたいですよね。
ホームセンターではあらかじめ調合済(すでに決まったカラーが入っている)のペンキが棚にあるので、
そこから選ぶ事になります。
最近ではインテリアで使えそうなカラーも増えてきました。
でもその中に、気に入ったカラーがない時、さあどうしましょう。
例えば、スカイブルー調合したいとき、青と白を買って混ぜる。そう思いますよね。
そうですよね…でもダメです!
なぜなら…。2度と同じ色が出来ないからです!
例えば、10平米分のペンキを作って5平米を塗りきって、
後は保管するならO.Kですが、「最初にちょっとつくって、足りなければあとでもう一度作ろう。」…出来ないんですよね。
同じ色。それくらい調合は難しいのです。
ペンキ職人さんでも、体調やその日の天気による光の加減などで同じ色を調合が出来ないことも。

お気に入りのカラーがない場合は、ペンキ屋さんで色見本を見ながら注文出来ますが、
こちらは色によっては4Lが作れず、一斗缶を買うことになるかもしれません。
約50平米分ぐらい塗れます。DIYには量が多すぎ!
と言うのも1Lなどの少量で調合は難しい作業だからです。
また、ペンキ屋さんにお願いして好みのカラーを作ってもらったとしても、
次の注文の際に同じペンキカラーが出来る。とは限りません。

一方で、私がカナダで使っていたDIY用ペンキなどが日本にも入ってきています。
欧米では1リッターから作る事が可能でカラーも豊富なので、こちらも選択肢の一つです。

道具について

刷毛だけでも何全点もあります。
ペンキの種類に応じて使い分けをするので、多種多様です。
中には一本何千円、何万円とする刷毛もあります。
プロはしっかりと手入れを使いこんでいきます。
壁や家具に塗る時、「どうせ使い捨てだから」と言って使い捨てを前提に安い道具を買うのは止めておきましょう。
塗っている間にも毛が抜けたり、ペンキを含まなかったりと塗りにくくするからです。
ではどんな道具がIDYには良いのでしょうか。
プロが使っている道具メーカーにはホームユース、使いやすさとコストパフォーマンスを考えて作られた道具がいくつもあります。
例えば、刷毛などはプロが使用する毛の製造ノウハウをそのまま、DIY向けに持ち込んで製造しているものがあります。DIYで塗っている間も作業がスムースに進んで楽しく、仕上がりも美しいのです。
塗った後も水洗いをして日陰に干しておけば、何度でも使えますよ。
きれいな仕上がりのDIYのペンキ体験は心に残りますから、壁を塗る機会が増えるかも!
そんな時にも十分使えるレベルの道具を買いそろえましょう。
ローラーも同じです。広範囲を使うので安物は消耗も早く、毛抜けが多く、壁に付いた毛を取り除くのが嫌になるくらい大変です。
またペンキを含ませた時に、毛がダマになってしまったり、上手く転がらなかったりするものもあります。
こういう体験は楽しいペンキ塗りを「二度と塗らない」にしてしまいますから、道具、選びましょうね。

どうしてローラーで塗るか?

ローラーの毛が壁に付いて離れる際に若干けば立って、壁の表情が「ゆず肌」のようになります。
スプレーで仕上げる以外、このゆず肌模様に仕上がりますが、これは実はとてもよく考えられています。
例えば、壁に傷が入った場合、スプレーで仕上げた場合はつるっとしているので、傷が入った部分だけを刷毛やローラーで塗ると、仕上がり感が違い却って目立ってしまいます。
ゆず肌の場合、ペンキがはがれたり傷が付いてもローラーで補修をしてもまた同じ用にゆず肌になるので、目立つことなく補修が出来ます。
カナダでも、大きな面積をスプレーマシーンで壁に吹き付ける事があります。
でもその後に「ローラーマークを付ける」と言ってペンキを付けていないローラーを転がして、ゆず肌に仕上げています。
これはタッチアップと言って些細な傷でも簡単に直せる事を考えて仕上げるからです。

ペンキをプロのように仕上げるには

とにかく養生です。これさえしっかりしていれば後はラクチン。
プロはとにかく養生が早いのです。なぜなら養生に時間がかかるのを知っているからです。
しっかりと念入りに養生をする。これに限ります。
あと、養生はマスキングテープも含めて終了後ははがしてしまいます。
ですからマスキングテープを細切れにして念入りに作業をするよりも、出来るだけマスキングテープを切らず、出来るところは一本のマスキングテープで仕上げておけば、はがす時にとても簡単です。
刷毛もしっかりとペンキを付けて、ローラーも急がずていねいにペンキを付けて転がしていくと、DIYでもプロ並みの仕上がりに!



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