ペンキで壁を塗って楽しむ生活

ペンキと壁にまつわる色々な事を書きとめました。

そのペンキの色で満足していますか?壁のペンキの色の選び方

壁にペンキを塗りたい!色は…?

と思い立ってホームセンターに行って、棚に並んだ缶を見て選ぶ。
でも想像していた色がない…。せっかく塗るならこだわりたいですよね。
気に入った色を見つけるには、どんな方法があるのでしょうか。
まずは見本帳について見てみましょう。

そもそも色見本って…
世の中には数多くのカラーが存在しています。
例えば、オールマイティーでアパレルを初め様々な対象物に使われる、パントーン。
日本で主に印刷用に使用されているDICカラーガイド、
数字で表現したマンセル、
ヨーロッパで圧倒的に使われているナチュラルカラーシステム(NCS),
ドイツで良く使用されているRAL、
建築シーンで使われる日本塗料工業会や訪米の各メーカーが開発している各メーカーのペンキ見本帳などです。

見本帳は様々な理由で開発されて使われていますが、本来の用途以外で使うとその効果を十分にえられない事も!
例えば、DICでペンキを指定した場合、どうなるのでしょうか。
DICは元々印刷用インクのサンプルで、印刷のプロセスであるCMYK(シアン、マゼンダ、イエロー、ブラック)を掛け合わせて表現しています。
ペンキはペンキ同士を掛け合わせるか、または顔料を調合して作ります。
DICでペンキを指定しても作り方が違うので色はうまく再現出来ないのです。

またペンキの見本帳以外は全て印刷で作られています。
日本塗料工業会が発行している実際にペンキを塗って作られている見本帳に624色の掲載があるので、こちらをご参考に。艶ありのサンプルでちょっと選びにくいのが難点…。
1リッターなど少量では調合していないお店も多いので、要注意です。

もっと自由にペンキの色を選びたい!
もっとこだわりたい場合は、欧米各ペンキメーカーが販売しているカラーチャートを参考にしましょう!日本でも数社の物がインターネットで見ることができますし、チャート自体の購入も可能です。
モニターで見る場合、実物とは若干違うものの、さほど気になる差がないものがほとんどです。

海外のペンキメーカーは自社で自社独自のチャートを持っています。
日常的に壁をペンキで塗る習慣・文化がある海外では、この色見本が他社との差別化になっています。
ほとんどが艶消しで作られているので、塗った時のイメージをつかみやすい!
ペンキは塗って濡れている状態の時と乾いた時の色が違うので、ペンキを塗って作られているチャートであれば、乾いた時の色を確認出来ますから、安心です。
色数は数千~数万と迷ってしまうくらい。
選んだ色はは1リッターから機械で調合してくれます。
カラーチャートに掲載されているペンキそれぞれにまるで料理のレシピのように配合表がデータを用意していて、顔料を何をどれくらい入れる。
というように数値化されていますので、後は専用の機械で顔料を入れて、混ぜて出来上がりです。

因みに日本のメーカーが使っている顔料は6から8、海外の物は数千~数万の色を出すために13から15あります。

チャートから始まり、レシピ作成までをオリジナルで開発しようとすると、とてもお金がかかるので、中小のメーカーはカラーギルドと呼ばれる、見本帳、顔料の配合比、顔料などを共同で開発して、共有しています。

壁を塗るのに選びたいペンキカラー。

幾つか覚えておきたいこと。
色を選ぶ際に参考したいポイントを幾つかご紹介します。
それぞれ塗ったあとの艶や見え方に関連しています。


1、面積効果
大きな面積と小さなサンプルで見るのと見え方が異なります。
面積が大きくなると、若干明るく薄く見えます。これを面積効果と呼んでいて、ペンキを壁に塗り面積が変わればその見え方も変わるのです。
選ぶ時には、「実際に選んだペンキを塗ると印象よりも薄く感じる」という事を覚えておきましょう。グラデーションで言うと、1~2段階薄く感じるかもしれません。

2、ウォーム、クール
例えば、青みかかったグレー系。クールな印象で太陽光や室内灯でもほとんど見た目の印象が変わりません。
逆に赤みがかったグレーは蛍光灯や太陽光と白熱灯での見え方が変わります。光に対して膨張して見えるからです。
赤やオレンジの様なウォーム系は太陽光や室内の照明環境によって大きく変化します。特に濃いウォーム系のペンキで仕上げた壁は白熱灯などの照明よりも濃く見えるので要注意。
一方、ブルーの様なクール系のペンキを塗っても、面積によってあまり雰囲気は変わりませんが、冷たく感じることがあるかも。

3、照明の反射率
ライト・リフレクティブ・バリューは照明の反射率を示す値です。数値が高ければ少しの光を与えるだけでもよく反射してくれます。例えば白のペンキだと0から100までの値中で限りなく100に近い値になります。
逆に真っ黒なペンキなどは限りなく0に近く、いくら光を当てても光が反射しにくくなるので、くらい印象になります。

4、濃いペンキ
濃紺や濃い赤などは深くリッチな風合いのペンキで人気です。しかし濃いペンキで壁を塗るとペンキ自体が艶消しのペンキでも、艶有りのペンキの様に鈍く光ります。これはペンキの底艶と呼ばれるもので、濃いペンキにはより多くの顔料が入るので艶が出てきてしまいます。

それではカラー別に特徴を見てみましょう。

赤・ピンク 赤には人を元気にする力があり、見ているとパワーが出ると言われています。
ちょっぴり落ち込んだ時にお薦め。気分を変えてくれてパワーがよみがえります。
実際に部屋の壁に使うとでは暖かく感じます。また時間の経過を早く感じる視覚効果も。
30分いても1時間たったように感じて、この効果を使って喫茶店など回転率を上げるために使われる事も。
赤より刺激の少ないピンクはまさしく癒し系。心に優しく若々しく感じます。
サロンのお部屋にピンクが多いのもピンクの視覚心理を狙っています。

オレンジ・茶
パッションと明るさを兼ね備えたオレンジ。
疲れていたりストレスフルな時に気分爽快にしてくれます。
元気の源・太陽のイメージなので、親しみがわきます。
陽気なムードづくりには必須です。
欧米ではこのオレンジが好まれて使われることが多く、その代表例として照明が挙げられます。
欧米では日本のように蛍光灯を使うことがほとんどなく、白熱灯が多いので、赤やオレンジなどの暖色系に包まれた雰囲気になります。
夕焼けの様な優しいリラックスした効果も期待できます。
茶は日本では昔から人気があります。日本人の美意識に合いグレーや青と並び伝統的に根付いています。


黄は光のスペクトルの中で最も明るく、光の屈折率の関係で前面に出て見えます。
また、黄金と呼ばれる様に金と黄色は基本的には同じ特徴を持っていて、かなり主張をするので、お部屋で使う際には壁のニッチなスペースが狙い目かも。
黄の仲間のクリームのペンキは、空間を広く見せてくれるので壁にはお薦め。


大自然を連想させるグリーンは人間が古来より安心や安らぎを感じてきました。
また自債に目にも優しく鎮静作用があると言われています。
現代ではPCに向かったり目を酷使するシーンが多いので、グリーンはお薦め。
心安らぐインテリアづくりにはグリーンのペンキで壁を塗るといいですね。


青は様々な表情を見せてくれます。ベイビーブルーやディープブルーなど。
青は静かなイメージもあります。気を落ち着かせてくれます。
どことなくキチンとした雰囲気も。
壁に塗って大海原や大空を見ている爽快な気持ちにしてくれるのもブルーの特徴。
ペンキの濃いブルーなどは艶消しのペンキでも少し光るのでご注意。


色の中で最も高貴とされてきた紫。ロマンチックですよね。
青と赤の組み合わせで作られているので、例えば青に近い紫なペンキを壁に塗ればより安定感が増します。
逆に赤に近い紫なペンキで仕上げた壁はスィートな雰囲気に。深い紫の壁は本当に吸い込まれてしまいそうなくらいミステリアスですが、上手く使うことでスタイリッシュな空間を作ることが出来ます。

モノトーン
白のイメージは軽い。黒のイメージは重い。
日本では白は清潔、むくと言ったイメージがありますが、真っ白の空間は人が最も緊張するので、上手く使いたいですね。
黒やグレー系のペンキはアバンギャルドなお部屋作りには最適かもしれません。
モノトーンなペンキはどんな色ともマッチするので、使い方次第で多様な空間を作ることが出来ます。



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