ペンキで壁を塗って楽しむ生活

ペンキと壁にまつわる色々な事を書きとめました。

ペンキ初心者でもわかる絶対に失敗しない壁のペンキの塗り方

壁をペンキで塗る!この塗り方で大丈夫!

今からちょうど20年ほど前、初めてカナダの友人の家に行った時のお話。
それはもう大きなドラマに出てきそうなお家でした。
「なんか日本の家とは雰囲気が違うな」と思っていましたが、別に深く考えず、帰国。
次にカナダに行ったときに初めてホームセンターに行き中に入ると、日本のホームセンターとは全く違う光景が…。
入口を抜けると大きく展開されているペンキ売り場。初めて見たときには何を売っているのかわからないくらい、カラフル!
で、大きな兄ちゃんがペンキを調合している。その場で。機械で。
そのお兄さんに「XXXX番の色、20リッター、1缶ね」と友人が頼んで、買物が終わるころには、何とペンキが出来あがっていました。
その間約15分。
「これ、どうするの?」と友人に聞くと、
「今から壁を塗るんだよ。なんか今の飽きちゃって。塗り方教えるから一緒にやろうよ」。と友人。
「壁?!塗り方しらんって!」と驚く私。
友人に「どうしたの??」って顔で見られました。
家に帰ると、ごそごそと準備を始めて、塗り方を教えてもらって、スタート!って、こんな簡単な準備で大丈夫??

初めてのペンキ塗り。これは面白い。とにかく叫びたいくらい、楽しい。
この時は薄いベージュの上からモスグリーンを塗っていましたが、どんどん色が変わっていくのが本当い面白い。
ペンキというとそれまでは全くと言っていいほど塗り方も知らず、臭いがクサイくらいのイメージしかなかったけれど…。
スイスイ塗れて、もう大好き。
日本に帰ってきて壁をキョロキョロみる様になってしまいました。。日本の建物の壁ってほぼ白ですよね。
塗り方を知った私は勿論自宅も塗っちゃいました。
彩られた壁、素敵ですよ。
でもペンキの塗り方とかわかんないですよね。

なので、ペンキの選び方から壁の塗り方まで大公開!

ペンキ選びから塗り方まで

重いペンキはいいペンキ。

カナダで20Lのペンキを買いました。
20Lですから、20キロ?と勝手に思い込んで、
「重いよ」。と言って私の顔を覗き込む友人を横目に「これくらい、俺にだってもてる!」と心の中で叫びながら、グッと持ちあげた瞬間、腕が…。そう、重いのです。
何も知らなかった私に友人は「よいペンキは重いペンキ」と訳のわからない事を言っていて、「なに言ってんだこいつ」と思っていましたが、後で友人が教えてくれました。
壁に最適な水性のペンキは、乾燥後壁に残る樹脂分、色や艶を作る顔料、添加物、と水で作られています。
因みに日本のペンキ屋さんは液体なのにキログラムで「4キロ缶ね」とか言ったりしますがこれはその昔、対象物に応じて樹脂を選んで買って水や溶剤で溶いて使っていた時の樹脂買い求めかたの名残とか。
話は戻り、水性のペンキは水を媒体にして塗りやすくしています。

ローラーをコロコロ転がして塗っていくと、ビシャビシャと飛び散りますよね。
これで顔までペンキ。全身ペンキ。
これ、塗りにくいペンキ。

さらに乾燥し、樹脂分や顔料が壁に残りますよね。これが壁の表面になるので、結構大事なんです。

では重いのは「いいペンキ」なんでしょうか。

答えは簡単。
含まれている樹脂分が多いのです。
とっても。20Lが20キロだったら、ほぼ水ですよね。
色の付いた水を壁に塗ってどうすんの??って思いません?
樹脂分が多い、水分が少ないとビチャビチャと飛び散らないし、乾いた後の壁の表面もきっちり守られている。というのが理由。
これから壁を塗ろうと思っている皆さん、缶に書いてある容量とそれの重さをイメージして缶を持った時の差が軽いといいペンキではありません。
あと、缶を振ってみて、シャバシャバした音がしたら、色の付いている水に近いペンキです。
選ぶのは重いペンキです。

艶を選ぶ。
日本では艶消しがほとんどです。
壁には独特のテカリがないので好まれる艶ですが、実は艶消しは汚れに弱いのです。
艶があればある程表面が強いので、少しでも艶がある方がベター。
少しでも艶があれば、壁についた日常の汚れは洗剤で拭いたり水ぶきで汚れが取れます。

塗れる量
塗れる量は製品によって若干の違うものの、キログラム表示で缶の裏に説明があります。
ほとんどが「1平米あたり、0.12kg」という表示です。「1mX1mの面積に120gペンキを付けるのが基準です」という意味です。
どうやって量る?ですよね。不親切。
これが基準だと、1リッター缶で塗れるだいたいの広さが10平米、畳の大きさ約6枚分ですが、これはあくまで1回塗りの面積です。
「1回でOO平米」と説明書に書かれているものがほとんどですが、最低2回塗らないと仕上がりません!!
熟練のプロでも1回で壁を仕上げるのはとても難しいのです。
ですから、目安として「1L、2回で約5平米、畳の大きさ約3枚分」です。

必要な道具たち
道具は100円ショップでも売っていますが、信頼感ゼロな私。
作業中に毛が抜けて壁にどんどんついていき、手で取りながら作業を進めなければなりません。
うんざりします。
本当に。

また種類も選べません。
日本には幾つかの道具メーカーがあるので、メーカーが販売している道具を選びましょう。
壁には、刷毛、ローラー、ハンドル、バケット、マスキングテープ。を使います。
床の保護(養生・マスキング)に使う、マスカー、新聞紙などが必要です。
あと、濡れた雑巾を用意します。
乾いてしまうと、水では拭き取る事が出来ませんが、液体の状態のときにはふき取る事が出来るので、付いてはいけないところに付いた時にはこの濡れた雑巾でサッとふき取ってしまいます。

刷毛
メーカーのカタログを見ると数え切れないくらいの種類の刷毛が掲載されています。
プロの職人さんは塗るものや塗り方で使い分けています。
まず、毛の種類が違います。ヤギや豚などの動物、化学繊維素材のものなど実に様々です。重いペンキの場合、粘度があるので化学繊維素材を使います。
中でも最近では一本一本ウェーブ加工(パーマをあてたような波打った加工)でペンキがしっかりとまとわりつくものがあります。
一度にたくさんのペンキを含んでくれウェーブ加工で垂れも少なくなっています。
また大きさも違います。
大きな面積はローラーですが細部や際は刷毛で補います。
小さすぎると何度も同じ箇所を塗らないといけなく、大きいと一度多くの面積を塗れるますが、ペンキが垂れたり重くない丁度よいサイズ、私はメーカーが共通して規格している50号を使います。

バケット
ペンキを入れる容器です。
中には余分なペンキを扱いて落とせるネットが付いています。
基本的は手に持っての作業なので、あまり大きなサイズは選ばないようにします。
当然中にペンキが入るので、重くなります。

ローラー
横幅、毛の長さ・種類、直径、レギュラーサイズ、ミドルサイズなど様々。
壁には6インチ(幅約15cm)、長さが13mm程度、ミドルサイズのハンドルを選びましょう。
カナダの友人は横幅が60cm以上で、植物を植えるプランターの様なバケットにペンキを入れて、豪快作業をしていました。これは一度にたくさんの面積を塗れるのですが、ペンキを付けて持ってみましたが、腕が重さでぶるぶる震えて塗れませんでした。

マスキング
ペンキがついてはいけない箇所に使用します。
接着面の粘度が高い工業用や車両用、中粘度の建築用、弱粘度のホビー用、また幅にもサイズが。特に建築用は今ある住宅の部材に貼るので、あまり粘度が高いものを選ぶとはがした際に貼った箇所を傷つけたり、弱いと貼った箇所の裏側ペンキが入りむので建築用、18mmもしくは24mm幅が使いやすいです。

養生シート
床に敷いて床を保護用シートがあれば便利です。
新聞紙やブルーシート古い布などでも対応できますが、お薦めはマスカーで広げると55cmや110cm幅のシートです。コロナ帯電と言って、このマスカー自体が静電気を帯びているので、床にもぴったりひっついてくれるので、便利です。

マスキング
最も時間がかかるのが、養生です。
例えば、5平米の壁にペンキ塗り1回の場合、5分掛かりません。
何もない壁ならばその5平米の壁の四方をマスキングの養生だけで済みますが、
実際にはコンセントやスイッチなど、時間がかかります。
養生は全体の60から70%を占め、仕上がりに大きな差が出てきます。美しい仕上がりをイメージしながら楽しんで作業しましょう。

塗り方
1.養生
スタート箇所は、床からです。壁、壁上部へと上がっていきます。
壁の上部でマスキングなどは日ごろ触らない場所なので、ほこりがたまっています。
そのほこり、床に落ちますよね。その際に養生があれば、その上に落ちるので掃除の必要がありません。
マスキングテープとマスカーなどを使って行いますが、テープを手にとって、塗らない場所に貼っていきます。
ポイントは「建物に合わせない」。
えっ?って思いますよね。例えばAとBでBにペンキをの場合、AとBの境目に沿ってAに貼りますが、この境目が曲者なのです。
まっすぐのラインが出ていない事が多いのです。
そう、建物は必ずしも床に対して垂直だったり平行ではない事が多いのです。
そのまっすぐでない境目に合わせて貼り、Bを塗ったあとはがすと、境目には沿っているものの、まっすぐにラインが出ていなく、壁に沿って曲がっていたり波打ちます。
ですから、マスキングの際には「テープで新しいラインを作る」というイメージで貼っていきます。マスキングテープは和紙で出来ているので、貼っていく際に少しひねったり力を横方向に加えると、すぐに伸びてしまい、まっすぐなラインで貼っていけないので力をいれずまっすぐに貼りましょう。
また貼り終えた後は上から指でしっかり押さえて密着を確認します。

ペンキをバケットに入れる。
バケットを取り出して、ペンキを中に入れていきます。
手にバケットを持っての作業なのであまりペンキを入れすぎない事。重くなります。
バケットに入れたあと、ペンキ缶の蓋の溝にペンキがたまりますから、ふいておきます。放っておくと蓋が閉まらなくなります。

刷毛の持ち方は鉛筆の持ち方で、塗り方は出来るだけペンキが付いた毛に近いところを持ちます。よくペンキが手に付くのが嫌で、毛の反対のハンドル部の端の方を持つ方を見受けますが、毛がコントロールできずうまく塗れません。


続いてペンキを付けますが、全体には付けず、半分~3分の2くらいまで付けます。付けた後はバケットの中にあるネットで毛の両側を「トントン、トントン」と叩いて余分を落とし同時にペンキが中にきっちりと入っていく空気抜きの作業にもなります。

いよいよ塗り方をご紹介します。
高いところから作業をしていきます。ペンキが垂れても後で塗るので、問題ありません。
刷毛はAとBの境目のBです。
うまくコントロールが出来ないので、しっかり壁に押し付けて完全に開いた状態で使います。一度に塗る長さは60cm程度がベストです。注意点はテープの上はあまり塗らない。最小限度に。テープは作業が終われば、はがすのでしっかりペンキがついてしまうと、はがしにくくなります。

ローラーをバケットの中に入れてコロコロさせながらしっかりと全体に含まれるように準備をします。
ネットの上で転がして余分を落とします。ポイントは「ペンキを落としすぎないこと」。「ペンキは薄く付けてこすりつけるように何度も重ねます」という説明を見ますが、あれは間違い。
しっかりとペンキを付けて壁の上でペンキを伸ばすようなイメージなので、ネットで落とし持ち上げて垂れない程度がベストです。

さて、ローラーでの塗り方です。
壁を塗っていく方向は左から右、右から左など一方通行です。
壁に塗った瞬間からペンキは乾き始めます。
このため、一旦塗った箇所をまた塗ると半乾きのペンキがローラーによってはがれてしまいます。絶対に戻って塗り重ねをしてはいけません。かすれなどは2回目で修正しましょう。
ペンキを塗り方で一番のポイントは、塗って濡れている場所からまだの部分へ一方通行で進めます。
一方通行で動かすには床に対して垂直に上下運動で塗っていきます。
ローラーを転がして壁に塗るときはゆっくり、しっかりペンキが壁に付く事が出来るように心がけましょう。

完了して、壁を見てみると、ムラになっています。
乾いている部分と乾いていない部分の違いです。
ペンキは乾燥すると色が濃くなります。この濃くなった状態が本来の缶や見本帳に掲載のある色です。
全体が乾くと部分的にかすれなどはあっても同じになるので、心配はいりません。

手に触ってつかなくなるまで休憩時間になりますが、刷毛をこのままおいておくと、乾燥しパリパリになるので、マスカーやサランラップなどで毛の部分を覆い空気に触れないようにしておきましょう。

壁全体が指で触っても指にペンキが付かなくなれば、2回目を始めます。
終われば、完全にペンキが乾ききる前に養生をとって完成です。
もし完全に乾いた後にとる際にはカッターナイフなどを使ってペンキとテープなどの養生との境目を軽く切りながらはがすとうまくはがれます。はがせば見違えるほど美しい壁がそこに!



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