ペンキで壁を塗って楽しむ生活

ペンキと壁にまつわる色々な事を書きとめました。

団地の壁を自分でペンキを塗って早く安く美しく変える方法

ペンキで団地のお部屋をリフレッシュ!

昭和30年代から高度成長期に合わせたように建設された集合住宅(団地)。
団地の多くは現在築40~50年を迎えようとしています。
昭和40年代にその数はピークを迎えますが、その後人々のライフスタイルの変化や築年数の古さから、現在の家族構成にあっていない間取りや、住宅設備、さらには6階以上にはエレベーター設置の義務があり、これを避けるために5階・エレベーターなしなどの要因から現在徐々に団地に住む世帯数も減少してきました。

このような状況に歯止めをかけるために、様々な取り組みが行われています。
中でもUR(独立行政法人都市再生機構)などでは、機構が持つ全国の賃貸用団地の活性化入居者募集の一環として、団地への入居者によるペンキや壁紙の張り替えを条件付きで許可している物件の取り扱いを始めています。
人気なのがペンキで仕上げる改装です。

まずは間取りから
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建築された時代を反映して畳のお部屋と木が多いのが特徴です。
畳の上にカーペットや起き床タイプのフローリングを敷いて洋風にもできますが、
ここではあくまでペンキにこだわって!ペンキで壁を塗る際の注意ポイントや、塗装の方法、部位別のお薦めのペンキなどをご紹介します。
まず、壁です。
ビニールクロスが貼ってある壁には、「ビニールクロスに塗れる」ペンキか、下地剤(プライマー)を配合したペンキを直接塗れます。

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写真のように木がたくさん使われています。木にペンキが付いてしまうと、取れにくくなるので、マスキングテープでしっかり養生をしましょう。
クロス壁の剥がれなどは木工用ボンドなどで事前に補修を行います。
また一見土壁風でも実はクロスだったりするので表面を指でこすってみて、ポロっと土が壁から落ちないか、ビニールの触感かなどを確かめましょう。

土壁や繊維壁
築年数が古い団地では土壁や繊維壁も多く、自体の劣化によって、ぽろぽろとはがれてきたり、壁にヒビが入っていたりしている箇所がありますよね。
ここにはあらかじめ下地の調整が必要になります。
まず、指で触ってぽろぽろと取れる。
ペンキは刷毛とローラーで壁に塗っていきます。
ですので、ペンキをローラーで転がした際に、この砂がローラーにまとわりついて、下地から取れてきますのでヘラで取り除かなければなりません。
全面の砂を取り除いてペンキで仕上げるのがベストです。
砂が壁から取れた部分と取れていない部分に段差があり、この段差をパテで埋めてペンキで壁を仕上げても、砂地のところとパテで埋めた箇所の表情が違うので、パッチワークをしたような仕上がりになってしまいます。
砂とりは、霧吹きなどで、壁に水分を含ませて砂を柔らかくして金ベラで落としていきましょう。

あまり砂の落ちがない

ペンキで壁を塗る前にシーラーを塗ります。土壁・砂壁は水分をよく吸うので、シーラーで出来るだけ水分をしみこませて、ペンキを2回で完了が目的ですが、
シーラーもペンキですので、ペンキのしみこみを抑えきれないことがあるので、通常よりも多めにペンキを用意しましょう。

周りの木材を建築用のマスキングテープで養生して、刷毛にペンキを付けながら縁取りを行います。その後はローラーでペンキを仕上げます。
吸い込み具合でムラに見えますが、2回、3回とペンキを壁に塗ると、吸い込みが一定になり、ムラなく仕上がります。

そのほか、団地で使われている素材

そのほかペンキで色を変えてみたい!という素材についてご説明します。
まずは木部。今では団地独特のデザインですが、お部屋に長押(なげし)と呼ばれる壁に床と平行についている木部です。
長押は本来柱を支える構造部材だったのですが、それが飾りになっているんですね。
この長押が結構色が濃くてお部屋にマッチしないことも。
長押の色をペンキで変える方法です。
まず、木部をペンキで変える場合、大きく分けて方法は2つ。
一つ目はペンキで塗りつぶしてしまう方法です。
次はウッドステインと言ってペンキの一種なのです。ステインとはシミや汚れなどの意味ですが、木目にウッドステインをしみこませていきます。更にこの上にニスで仕上げている場合もあります。
ペンキの場合は、ニスの部分が光っていますので、ニスの表面に亀の甲羅の様な割れがないかを確認します。
割れている時には、その部分はニスが木材と密着していないので、そのままペンキを塗っても同じようにはがれてしまいます。この時は中目の粗さの紙やすりで割れている部分とその周辺を削り落とします。完了したら、全体を乾燥した雑巾で掃除をし、長押に付いている壁紙部分を養生、ペンキを塗ります。
ウッドステインで木の風合いを生かしたい時は、元の木の地肌が見えるように紙やすりで削ります。目の細かい紙やすりでは時間がかかるので、粗目→中目→細目の順で紙やすりを変えながら削っていきます。
ウッドステインは刷毛などでステインを塗り、乾いた雑巾でふき取ると木目がより美しく見えます。

未塗装の木部
団地では収納周りなど未塗装の木部もあります。
主広葉樹の一種で、柔らかく加工がしやすいラワン材が使われています。
周りを養生して刷毛でペンキを塗っていきます。一度ペンキを塗るとラワンの木目が毛羽立ってきますので、このけば立ちを中目の紙やすりで削り、2回目できれいに仕上がります。
べニア板の場合、
べニア板は薄い板が木目違いに何層か重ねて貼られて作られています。
注意したいのは、ペンキの水分を含むことで、これらの層をひっ付けていた接着材が表面にアクになって出てくることがあります。
シーラーを先に塗ってからペンキを塗る方法もありますが、アクは1度塗りをした段階で出てきて固まるので、ペンキを塗って1回目乾燥後2回塗りをすることで、アクを抑えることが出来ます。

プリント合板
プリント合板はべニア板の表面に印刷した化粧シートを貼り合わせたもので、ドアや引き戸などに使われています。
種類も木目やカラーバリエーションも印刷ですから自由に選ぶ事が出来ます。
特に木目のプリント合板は見た目が木材に見えるので、そのままペンキを塗られる方が多いのですが、プリント合板の表面はシートなので、ペンキがはがれやすくなります。
この場合は1.中目の紙やすりで削る(傷を付ける)2.下地剤(プライマー)を使うのどちらかを行うことで、ペンキをはがれにくくすることが出来ます。(この場合のはがれるとは爪でひっかいたりするとはがれるという意味です)

タイル
台所やお風呂にタイルが使われている場合。
このタイルの色をペンキで変えた時にはやはりプライマーを使います。
しかし、表面硬度の高いもの(隙間がなく硬いもの。ツルッとしたもの)にはペンキは不向きなので、ペンキを塗ったあとはがれれば、都度塗り直しましょう。



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